外装修理
黒、木目艶出し、木目艶消し…ピアノは様々な外装の種類がありますが、どのような塗装でも修復致します。
黒塗装修復前 
黒塗装修復後 
木目塗装修復前 
木目塗装修復後 
ペダル研磨前 
ペダル研磨後 
このようなひび割れも 
完全修復致します。 
外装修復のサンプルです。①傷がある状態②パテで埋め③下地・塗装④研磨して仕上げ
内部修理
グランドピアノの内部構造
①ハンマーヘッド ②シャンク
③シャンクローラー ④ジャック ⑤サポート
⑥ウィッペンヒールクロス
⑦バックチェック ⑧キャプスタン
1、フレンジコード、ブライドルテープ交換…フレンジコードはハンマーが前に進んだあとに引き戻す役割を果たす「スプリング」を引っかける紐です。切れると連打が出来なくなり、酷くなると音が出なくなります。ヤマハのアップライトピアノで、20～30年程でよく起きる故障です。ブライドルテープもスプリング同様、ハンマーを引き戻す役割があります。
半分だけフレンジコードを交換しています。白い方が交換済み。
古い方は茶色く劣化し切れてスプリング(赤←)が飛び出しています。
古いフレンジコードを溝から掻き出し、新しいコードに交換。 
ブライドルテープ交換前と交換後。
2、センターピン交換…いわゆる運動部における「関節」の役割を果す部分です。主に湿度にてﾌﾞｯｼﾝｸﾞｸﾛｽが膨張を起こしたり、センターピンが錆びることにより動きが鈍くなる「スティック」と呼ばれる状態と、過乾燥や使用による摩耗にてﾌﾞｯｼﾝｸﾞｸﾛｽとｾﾝﾀｰﾋﾟﾝの隙間が大きくなりブレ大きくなる「ガタ」という症状があり、どちらの場合も修復が必要です。上記動画(2枚目)にて動きをご覧いただけます♪
アップライトのセンターピン。青…バット、赤…ウィッペン、黄色…ジャック、緑…ダンパー 
グランドピアノのセンターピン。赤…ハンマー、青…ウィッペン、黄色…ジャック、緑…サポート 
グランドピアノのダンパーセンターピン 
専用のリーマで削り、適度な太さのセンターピンに交換します。
3、ハンマー整形(ファイリング)、ハンマーレールクロス交換…ファイリングとは、ハンマーを削って形を整え、弦溝を消したり小さくする作業です。整調における「ハンマー調整」において、こちらが出来ていないと正しく調整出来ません。ハンマーレールクロスは、ハンマーが戻った後のクッションの役割をするもので、ピアノの使用に応じてだんだんへこみ、整調における「ストローク調整」を正確に行うことが困難になります。
白くきれいな方がファイリング済み。形状を正し、弦溝(黄色↑)を極力小さくし、後のハンマー調整において弦との位置を合わせていきます。溝が深いまま位置だけ合わせると、音が正しく出なくなります。 
荒いペーパーで削った後は、細かいペーパーで毛羽を取りながら大きさを合わせていきます。 
ハンマーレールクロス。シャンクの跡がついて大分ぼこぼこです… 
新しいクロスに交換。
4、キーピン、ロッド、スプーン磨き、パンチングクロス交換…キーピン磨きとは、鍵盤の支点・力点を支えるピンを研磨していく作業です。鍵盤の抵抗感がなくなり、音の抜けも良くなります。ロッドはアップライトピアノのダンパーペダルを踏むと稼働する部分で、錆などがあると雑音の原因になります。スプーンは鍵盤を押すことでダンパーを稼働させる部分で、磨いて抵抗感を減らすことでタッチ感が変わります。上記動画(3枚目)にて動きをご覧いただけます♪
左がバランスピン、右がフロントピン 
パンチングを取り除き、研磨していきます。 
右のペダルを踏むと稼働する「ダンパーロッド」 
錆びるとペダルを踏んだ時の雑音の原因に。。 
外して磨きます。 
スプーンも研磨します。この作業だけでもタッチ感が変わります。 
バランスパンチングクロス。虫食い等にてかけてしまう場合も… 
新しく交換します。
5、鍵盤ブッシングクロス交換…上記キーピンと鍵盤が接触する個所の雑音防止のクロスを交換する作業です。摩耗が酷いと鍵盤の動きが正確に動かず、鍵盤の間隔等もばらつきが出ます。
左がバランスブッシングクロス、右がフロントブッシングクロス 
古いクロスを剥がし、新しいクロスに交換。修復の内容により、「カシミア製」のクロスを使用する場合もあります。
6、鍵盤木口張替
木口のみ黄ばんで形状も歪んでくる場合があります。 
剥がして 
新たな木口を貼り付け※現状フィルムが貼ってあるため青いです 
はみ出た部分を削って木部に均します。直線に削れてるか隣と見比べて確認
弊社で販売しているピアノは、上記基本修復を必要に応じて行ってから販売しております。
状態によっては下記の修復も…
7、鍵盤張替
ひび割れています。 
加熱して剥がします。 
新しい鍵盤を貼り付け… 
乾いたら固定しながら削っていきます。 
両隣の鍵盤と見比べて、赤、青→それぞれが直線かを見て、細かいヤスリで微調整していきます。
8、ダンパーフェルト交換(グランドピアノ)
古いフェルトをはがし 
残ったライニングフェルト(赤いフェルト)もきれいにはがします。 
新たなライニングフェルトを貼り付け、その上にダンパーフェルトを貼ります。左の2本が交換前。 
フェルトはこのように切って並べます。 
ベース側は現物に合わせて接着していきます。
9、ダンパーレバークロス貼り換え
ロッドやスプーンがあたる個所が凹んでしまっています。 
古いクロスを綺麗にはがして… 
新しいクロスに交換。
10、その他の修理
バックチェック交換。明るい黄色のほうが交換後。 
レギュレーティングボタンクロス交換前 
レギュレーティングボタンクロス交換後 
象牙鍵盤漂白前 
漂白後。まだ残っているシミも時間をかけて落としていきます。 
バットスプリング交換。折れてしまっているため 
スプリングコード(↓)を(→)より抜き取り、スプリングを取り除き 
新しいスプリングとコードを準備 
新たなスプリングをコードを通して面をあわせてカットして完成♪ 
ウィッペンヒールクロス(青↑）、シャンククッションフェルト(赤↓)交換
弦、ハンマー交換は「オーバーホール」のページをご覧ください
内部調整
アップライトピアノ 動画のほうが分かりやすいものはリンクを貼っています♪
- 鍵盤調整…フロント・バランス部の隙、バランスホール
- ハンマー調整…走り・捻れ・弦合わせ
- カラ取り、鍵盤高さ(ナラシ)・傾き・間隔調整
- ストローク(打弦距離)・ロストモーション調整
- レットオフ(接近)調整
- 鍵盤深さ(アガキ)調整
- バックストップ・ジャックストップレール調整
- ダンパー調整、その他調整確認
- 調律・整音(三弦合わせ)等
②ハンマー調整
走り調整が終わったら捻れているハンマーを…
②ハンマー調整
シャンクを加熱して捻じって直し
②ハンマー調整
弦との位置を…
②ハンマー調整
適定位置に合わせます
②ハンマー調整
自然と間隔もきれいに揃います
③鍵盤傾き直し前 
③鍵盤傾き直し後 
③鍵盤高さ調整
鍵盤下に厚さの違う紙パンチングをいれて
③高さを揃えていきます 
④ストローク(打弦距離)調整前 
④ストローク(打弦距離)調整後 
④ロストモーション調整
鍵盤とアクションの運動接続に無駄がないよう調整します
⑥鍵盤深さ調整
フロント側の鍵盤下に厚さの違うパンチングペーパーを入れて
⑥鍵盤深さ調整
鍵盤深さ測定用の定規を使用し、と鳴りとの高さがあっているか見ていきます
グランドピアノ
- 鍵盤調整…フロント・バランス部の隙、バランスホール
- べディング調整
- ハンマー調整…走り・捻れ・弦合わせ
- 鍵盤高さ(ナラシ)・傾き・間隔・ウィッペン合わせ調整
- ストローク(打弦距離)・ジャック調整
- レットオフ(接近)調整
- ドロップ・鍵盤深さ(アガキ)調整
- バックストップ・スプリング調整
- ダンパー調整、その他調整確認
- 調律・整音(三弦合わせ)等
①鍵盤調整
ホールの広さを確認
①鍵盤調整
専用の工具で適正な広さに広げます。
②べディング調整
グランドピアノは筬(〇)の上にアクションや鍵盤が乗っています
②べディング調整
ベディングスクリュー(↑)で、筬と棚をしっかり合わせ、弾いた感触を安定させます。
②べディング調整
専用の工具で回して調整
③ハンマー調整
グランドピアノは捻れ調整の際アルコールランプを使います
③ハンマー調整
捻れ調整前
③ハンマー調整
捻れ調整後
⑤ストローク調整前 
⑤ストローク調整後 
⑤ジャック調整
シャンクローラー芯(青↓)とジャック(赤↓)の位置を合わせます
⑩三弦合わせ
ハンマーが3本の弦に同時に当たっているか確認
⑩調律 
⑩整音 調律と同時に行い、徐々に理想の音に近づけていきます
弊社で販売しているピアノは、上記調整を行ってから販売しております。
キーウェイト調整は「オーバーホール」のページをご覧ください